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AI FOR CARE
人間に寄り添うAI

生成AIガイドラインとは?定義から作り方まで詳しく解説
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2026.09.01

生成AIガイドラインとは?定義から作り方まで詳しく解説

要約:

生成AIガイドラインとは、生成AIを安全かつ適切に活用するための指針です。介護事業所や介護施設で生成AIを導入する際に必要な、利用目的の明確化から利用範囲、情報管理、運用ルール、責任者の設定、ガイドラインの作成、定期的な見直しまで、7Stepで詳しく解説します。

 

自分の運営する介護施設や介護事業所でも生成AIを活用したいけれど、リスクも大きいため何か適切なルールを定められないか悩んでいる人はいませんか?

この記事では、そんな人に知ってほしい生成AIガイドラインについて詳しく解説します。

生成AIガイドラインとは?

生成AI垣外ラインとは何かを示す図解

生成AIガイドラインとは、国・地方自治体・企業などが定めた生成AIを安全に開発・提供・活用するための指針です。

近年国や地方自治体だけではなく、企業も生成AIガイドラインを公開することが増えてきています。

これは生成AIガイドラインを公開することでその企業のAIの使い方に対する信頼度を高め、AI活用のリスクを懸念する顧客に対し安心感を持ってもらうためだと言えるでしょう。

介護業界においても生成AIガイドラインを作り、それを守って活用することで、生成AIを利用する上でのリスクを最小化しつつ得られる恩恵を最大化できます。

生成AIガイドラインの作り方

生成AIガイドラインの作り方を7Stepでご紹介します。

Step1生成AIガイドラインを作成する目的を明確にする

最初に、自分が運営する介護事業所や介護施設でAIを利用する場合の現状における課題を整理し、以下の質問形式のチェックリストで生成AIガイドラインを作成する目的を明確化してみましょう。

質問

回答例

  • なぜ自分の運営する介護事業所や介護施設で生成AIを利用するのですか?
  • 職員の業務負担を軽減
  • 文書作成や情報整理にかかる時間を短縮
  • 利用者へのケアやコミュニケーションに充てる時間を確保
  • 生成AIを利用して、どのような業務を効率化したいですか?
  • 会議議事録の整理
  • 研修資料や案内文の作成
  • メールや文書の下書き
  • 業務に関するアイデア出し
  • 生成AIを利用してはいけない業務はありますか?
  • 利用者の生命や身体に直接関わる判断
  • 医療・介護上の重要な判断
  • 個人情報や機密情報の入力を必要とする業務
  • 個人情報や利用者情報をどのように保護しますか?
  • 氏名、住所、病歴など個人を特定できる情報を原則として入力しない
  • 利用するAIサービスのデータ利用や保存に関する仕様を確認
  • 必要に応じて個人情報を匿名化・仮名化
  • AIが作成した文章や内容は、誰が最終確認を行いますか?
  • 業務を担当する職員による内容確認
  • 重要な文書は管理者などによる最終確認
  • 公開情報は事実関係や誤情報の有無を確認
  • 職員にどの範囲まで生成AIの利用を認めますか?
  • 文章作成、要約、アイデア出し、情報整理などへの利用を許可
  • 利用者の介護・医療上の判断への利用を制限
  • 個人情報を含む情報の入力を制限
  • 関連する法令やガイドラインとの整合性は取れていますか?
  • ガイドラインを運用・見直しする担当者は決まっていますか?
  • 生成AIの利用を管理する責任者を選任
  • 利用状況や問題点を定期的に確認
  • 法令やガイドラインの改定時に内容を見直し
  • AIサービスの仕様変更時に利用ルールを確認

生成AIサービスの仕様は開発や技術の進歩によって変化していき、国の法令やガイドラインも改訂される可能性があるため、生成AIガイドラインは一度作成して終わりではなく、定期的に見直しが必要です。

自分が運営する介護事業所や介護施設の関係者でじっくりと話し合いをして回答をまとめてみましょう。

Step2地方自治体生成AIガイドラインに目を通す

生成AIガイドラインを作成する上で参考にするために目を通しておきたい生成AIガイドラインを、「国の生成AIガイドライン」「地方自治体の生成AIガイドライン」「業界団体や企業の生成AIガイドライン」の3つにわけてご紹介します。

生成AIガイドライン

国の生成AIガイドラインの中であらかじめ目を通しておきたいものは次の3つです。

官公庁名

生成AIガイドライン

デジタル庁

行政の進化と革新のための生成AIの調達·利活用に係るガイドライン(第2.0版)

文部科学省

初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)

経済産業省

AI事業者ガイドライン(第1.2版)

どの生成AIガイドラインも一度作成して終わりではなく、改訂を続けているのが特徴的だと言えるでしょう。

デジタル庁の「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)」は、生成AIの利活用促進とリスク管理を一体で進める考え方が示されています。

一方文部科学省の「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」では、生成AIを有効な道具として活用しながら、最終的な判断と責任は人間が担うことの重要性が示されているのです。

また経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2)」では、AIのリスクを踏まえ、事業者が自主的に適切な対策を講じながらAIを利活用する考え方が示されています。

介護業界においても生成AIのリスクを正しく理解し、最終的な判断や責任は人間が行う必要があるため、関係者はしっかりと内容を把握しておきましょう。

AI事業者ガイドラインについても詳しく知りたい方は、次のページもごらんください。

AI事業者ガイドラインとは?概要から活用メリットまで詳しく解説

地方自治体生成AIガイドライン

地方自治体の生成AIガイドラインの中で目を通しておきたいものは次の2つです。

地方自治体名

生成AIガイドライン

東京都

東京都デジタルサービス局「AI導入・活用ガイドライン、生成AI利用の手引き」

埼玉県戸田市

戸田市におけるAIの取り組み

東京都ではAI導入・活用ガイドラインだけではなく、各職員がそれぞれの業務の中で生成AIを安全で効果的に利用するための対応策をまとめた「生成AI利用の手引き」も同時に作成しているのが特徴的です。

介護の現場においても、生成AI使用時の指針となる生成AIガイドラインだけではなく、実際に業務で生成AIを活用する時に手元で確認できる手引きを作成しておくと便利に活用できるでしょう。

また埼玉県戸田市はChatGPTの調査研究事業、ハッカソンなども行っており、生成AIの活用に積極的な自治体のため、生成AIの活用で競合他社と差別化したいと考えている介護事業所や介護施設にとって参考になる取り組みが多いと言えます。

自分の運営する介護事業所や介護施設らしい生成AIガイドラインを作成するためにも目を通しておきたい資料なのではないでしょうか。

業界団体や企業の生成AIガイドライン

業界団体や企業の生成AIガイドラインであらかじめ目を通しておきたいのは以下の2つです。

業界団体・企業名

生成AIガイドライン

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン

富士通株式会社

「生成AI利活用ガイドライン」を一般公開

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」は、生成AIガイドラインでありながら生成AIの定義から生成AIガイドラインの作り方、海外における生成AIの動向まで学べる内容となっています。

生成AIを使ったことのない職員が多い場合、生成AIガイドラインをこのような構成にするのもよいでしょう。

一方富士通株式会社では自社の「生成AI利活用ガイドライン」を、社会全体で生成AIを適切に活用するのを目的として一般公開しています。

このような姿勢は、介護業界でも利用者やその家族の信頼度を高める上で参考になるのではないでしょうか。

Step3生成AI利用範囲を決める

次に利用目的とチェックリストの回答内容を踏まえて、生成AIの利用範囲を決めましょう。

利用範囲を決める際のポイントは次の通りです。

項目

概要

利用を認める業務を具体的に決める

「業務で利用してよい」という大まかなルールではなく、具体的な用途まで定める

利用を禁止・制限する業務を明確にする

AIの出力をそのまま採用することで重大な影響が生じる業務は利用を禁止もしくは制限する

入力してよい情報・いけない情報を区別する

AIサービスへの入力を原則禁止する情報と、入力可能な情報を分類する

AIの出力を人間が確認するルールを決める

AIの回答をそのまま業務に使用しない

利用するAIサービスを決める

利用を認める生成AIサービスを指定し、無許可のAIサービスの利用を制限する

職員ごとの利用権限や責任範囲を決める

ルール違反や問題が発生した場合の報告先も決めておく

利用範囲は定期的に見直す

AIサービスの機能・仕様変更や法令や国のガイドラインの改訂に対応できるようにしておくのと、現場からの意見で改善を続けるため

利用範囲を決める際に重要なのは「利用可」「利用不可」の2択で考えるのではなく、「条件つきで利用可能」という選択肢も含めることです。

また利用範囲は固定せず、AIの進歩や法令の改訂に合わせて見直しを行うようにしましょう。

Step4情報管理・セキュリティルールを決める

利用目的とチェックリストの回答を踏まえて、生成AIに入力してよい情報や禁止する情報、利用するサービス、アカウント管理などの具体的なルールを定めます。

具体的には次の項目について定めておくのが望ましいでしょう。

項目

概要

具体例

入力禁止情報

生成AIに入力してはいけない個人情報・機密情報を定める

  • 利用者の氏名、住所、電話番号
  • 病歴、服薬情報、介護記録などの要配慮個人情報を含む情報
  • 職員の個人情報
  • 事業所の機密情報

入力可能な情報

業務で生成AIに入力できる情報の範囲を定める

  • 個人を特定できない一般的な情報
  • 公開済みの情報
  • 個人情報や機密情報を含まない文章の下書き・要約素材

個人情報の取り扱い

個人情報を入力する必要が生じた場合の条件や手続きを定める

  • 個人情報を原則として入力しない
  • やむを得ず入力する場合は利用目的や必要性を確認
  • 必要最小限の情報のみ取り扱う

利用する生成AIサービス

業務で利用できる生成AIサービスを指定する

  • 管理者が承認した生成AIサービスのみ利用
  • 職員が独自に生成AIサービスを導入しない
  • サービスの利用規約やプライバシーポリシーを確認

入力データの取り扱い

入力した情報がAIサービス側でどのように扱われるか確認する

  • 入力データがAIの学習に利用されるか確認
  • 入力データの保存期間や利用目的を確認
  • サービスの仕様変更時にも再確認

アカウント管理

生成AIを利用するアカウントや認証情報を適切に管理する

  • ID・パスワードを適切に管理
  • アカウントを他の職員と共有しない
  • 退職者などのアカウントを速やかに停止

アクセス権限

職員の役割や業務内容に応じて利用権限を設定する

  • 必要な職員のみ利用可能とする
  • 管理者権限を限定する
  • 異動や退職時に権限を見直す

利用履歴の管理

生成AIの利用状況を把握するための記録方法を定める

  • 利用したサービスや目的を記録
  • 必要に応じて入力内容や出力結果を確認できるようにする
  • 問題が発生した際に確認できる状態にする

情報漏えい・誤入力時の対応

個人情報や機密情報を誤って入力した場合などの報告・対応方法を定める

  • 速やかに管理者へ報告
  • 入力した情報や利用したサービスを確認
  • 必要に応じて個人情報保護法などに基づく対応を検討

情報管理・セキュリティルールについても、AIの進歩や法令の改訂に合わせて適宜見直しを行いましょう。

Step5】運用ルール・責任者を決める

利用目的とチェックリストの回答を踏まえて、生成AIの運用ルール・責任者を定めます。

決める際に抑えておきたいポイントは以下の通りです。

  • 生成AIの利用責任者を決める
  • 職員がルールを守るための手順を決める
  • 生成AIの利用に関する職員教育を行う
  • トラブルやルール違反が発生した場合の対応を決める

責任者を1人決めて終わりにするのではなく、責任者・利用職員・トラブル発生時の報告先という役割分担まで明確にすることが大切です。

Step6生成AIガイドラインを作成する 

今まで決めてきた内容を文章化し、生成AIガイドラインを作成しましょう。

0から文章を作成するのが難しいと感じた場合は、一般社団法人ディープラーニング協会の「資料室」のページで公開されているひな形を参考にするのもおすすめです。

ひな形を参考に、自分の運営する介護事業所や介護施設での活用目的や今まで決定した内容に応じて、必要な追加や修正を加えて使用してみましょう。

Step7】定期的に見直しと改善を行う

生成AIガイドラインは一度作成して終わりするのではなく、定期的に見直しや改善を行いましょう。

AIの進歩や法令の改訂が行われるという外的な理由もありますが、運用している間に介護の現場から上がってくるインシデントやヒヤリハット、課題に対応する必要があるためです。

職員がリスクを最小化しながら、AIサービスを業務で生かしやすい環境を整えるにはどうすればよいかを考え続け、それを生成AIガイドラインに反映し続けることが大切です。

介護業界で生成AIガイドラインを定めてAI活用したい方は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください

 

介護業界において、生成AIガイドラインを定めて望ましい形でAIを活用していきたい方は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください。

株式会社プレゼンス・メディカルのコンサルティングサービスでは、次の4つのステップでお客様のAI活用をサポートします。

項目

概要

Step1】AI活用の可能性検討

現在のビジネスモデルや市場環境、競合分析、顧客ニーズなどを把握し、AIを活用することでどのような価値を提供できるかを検討

Step2】AI活用プランの策定

以下の項目を策定

  • AI活用の目的と効果
  • AI活用の対象と範囲
  • AI活用の方法と手順
  • AI活用に必要なデータや技術、人材などのリソース
  • AI活用の予算とスケジュール
  • AI活用のリスクと対策

Step3】AIシステムの開発・導入

  • AI活用プランに基づいて、AIシステムの開発・導入を行う

Step4】AI活用の運用支援

  • AIシステムの導入後のサポート

【Step2】で策定したAI活用プランを元に生成AIガイドラインを定めると、利用者の皆様からの信頼性がさらに高まり、競合他社との差別化にもつながります。

興味のある方は次のページからお問い合わせください。

お問い合わせ|Presence Innovation Lab.|プレゼンスイノベーションラボ

まとめ

 生成AIガイドラインとは、国・地方自治体・企業などが定めた生成AIを安全に開発・提供・活用するための指針です。

この記事も参考にして、ぜひ自分の運営する介護事業所や介護施設に合った生成AIガイドラインを策定してみてください。

 

※本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。