自動運転とは?メリットから実証実験の事例まで詳しく解説
要約:
自動運転とは、運転者の操作を部分的または完全に自動化する技術です。本記事では、自動運転が注目される背景やメリット・デメリット、AIを活用した最新技術について解説します。さらに、道の駅を拠点とした自動運転サービスの実証実験事例を紹介し、介護業界における送迎や移動支援への活用可能性についても考察します。
介護業界でも今後バスでの送迎や車椅子で自動運転が取り入れられる可能性はあるけれど、安全性に問題はないか疑問に感じている人はいませんか?
この記事では、自動運転のメリットから実証実験の事例まで詳しく解説します。
自動運転とは?

画像出典:経済産業省「自動運転に関する経済産業省の取組・方針」
自動運転とは、運転者の操作を部分的に、もしくは完全に自動化する技術のことです。
運転主体が人かシステムか、また運転主体がシステムであればどの範囲で自動化されるかによって分類されており、日本では上記画像のようにレベル1からレベル5までの5段階が定められています。
数値が高くなるにしたがって機能が増え、走行環境が限定されなくなっていくのがわかります。
自動運転が注目される背景
自動運転が注目される背景には、どのようなことがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
政府が自動運転を推進しているため

画像出典:国土交通省「社会課題の解決に資する自動運転車等の活用に向けた取組方針」

画像出典:経済産業省「自動運転の普及に向けた経済産業省の取組」
自動運転が注目される背景には、日本におけるさまざまな社会課題の解決を目的として、政府目標を掲げ各省庁が推進体制を作り連携して取り組んでいることがあります。
国土交通省の「社会課題の解決に資する自動運転車等の活用に向けた取組方針」には自動運転に関する政府目標が記載されていますが、目標の達成時期が遅くとも2027年度までとなっているため、早期に自動運転を実現・普及させたいと考えているのがわかるでしょう。
一方2025年に経済産業省が公表した「自動運転の普及に向けた経済産業省の取組」には、政府における自動運転の推進体制において各省庁がどのような役割を担うのかが記載されているため、具体的な推進に向けて誰が何をするのかが明確です。
これらのことから日本では自動運転技術の実現・普及に国を挙げて取り組んでいると言えるため、注目が集まっているのです。
制度の整備が進んでいるため

自動運転が注目される背景には、制度の整備が少しずつ進んでいることがあります。
2026年に国土交通省が公表した「自動運転の普及・拡大に関する取組」には、2018年から現在まで、自動運転技術の進展に合わせ法整備がどのように行われてきたのかが記載されています。
また警察庁のホームページには「自動運転」のページがあり、道路交通法、警察庁からの注意喚起などが記載され、自動運転が安全に行われるために守らなければならないルールや注意事項が発信されているのです。
このように、日本では自動運転の安全な実現のため法整備も少しずつ進めているため、注目が集まっているのです。
参考:警察庁「自動運転」
社会的意義が大きいため

画像出典:経済産業省「自動運転に関する経済産業省の取組・方針」
自動運転が注目される背景には、実現する社会的意義が大きいことがあります。
2023年に経済産業省が公表した「自動運転に関する経済産業省の取組・方針」には、交通事故の削減や高齢者等の移動手段の確保、ドライバー不足の解消など社会的意義が大きいと記載されています。
自動運転が実現することで多くの人が安全で快適な移動手段を持ち、関連産業の発展なども見込めるため、その推進に注目が集まっているのです。
自動運転のメリット
自動運転の導入には以下のようなメリットがあります。
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項目 |
概要 |
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交通事故の削減 |
自動運転技術の向上によりヒューマンエラーや情報不足による交通事故を防止できる |
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渋滞の解消・緩和 |
走行の最適化により渋滞の解消や大幅な緩和効果が期待できる |
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環境負荷の軽減 |
走行の最適化や渋滞の削減により燃費の向上、CO2の削減効果が期待できる |
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高齢者等の移動支援 |
運転負荷が軽減されるため高齢者が移動を快適に行えるようになる |
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運転の快適性の向上 |
運転負荷が軽減されるため長距離移動も快適に行えるようになる |
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ドライバー不足の解消 |
ドライバーに現状と同じ運転技術が求められなくなるため、トラックやバスなどのドライバー不足を解消できる |
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カーシェアの利便性向上 |
カーシェアに自動運転技術を組み合わせることで駐車場への回送を自動化でき、ユーザーの利便性向上につながる |
介護業界においても自動運転を取り入れることで、利用者のより安全で快適な外出をサポートできる可能性が高まるのではないでしょうか。
自動運転のデメリット
自動運転の導入には次のようなデメリットもあります。
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項目 |
概要 |
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イニシャル・ランニングコストの発生 |
自動運転車両の導入費用に加えて、通信設備や保守管理などの費用も考慮する必要がある |
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道路や天候などの環境条件に影響される |
利用する地域における周辺の道路環境や地域特性を踏まえた検討が求められる |
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トラブル発生時の対応体制を整える必要がある |
車両の停止や通信トラブルなどに備えて、遠隔監視や現地対応の手順を確認する必要がある |
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運行できるルートや地域が限られる可能性がある |
道路状況や走行条件によって、対応できるルートに制約が生じる場合がある |
自動運転には、導入費用や環境条件、利用者への介助対応など、事前に確認したい課題があります。
介護施設や介護事業所では、利用者の安全とサービスの質を大切にしながら、自施設の運行環境や職員体制に適した導入方法を検討することが重要です。
自動運転における最先端の技術とは?
自動運転における最先端の技術には、どのようなものがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
AIベースの開発が進んでいる

2026年に国土交通省が公表した「自動運転の普及・拡大に関する取組」によると、従来自動運転のプログラムは上記画像のようにルールベースでエンジニアが作成していましたが、直近ではAIに路上走行させて運転を自己学習させるAIベースでの開発が急速に進んでいるとされています。
AIベースでの開発はエンジニアによるプログラミングの速度や精度をはるかに上回り、従来のルールベースの開発では対応できなかった自動運転(未知の状況への対応や狭くて通行の困難な道でのすれ違いなど)がより安価に短期間で開発可能となりました。
今後AIベースでの開発が進めば、介護業界における自動運転の活用もより早期に実現するのではないでしょうか。
事業化ができるレベルまで開発が進んでいる

「自動運転の普及・拡大に関する取組」では、上記画像のように2026年1月現在の国内における自動運転車の開発と市場展開見通しについて解説されています。
自家用車については2027年度にはAIベースの自動運転車が販売予定となり、路線バス、タクシー、トラックにおいても事業化やサービス開始が予定されていることから、介護業界における自動運転での送迎サービスもそう遠くない未来に実現するかもしれません。
価格の見通しがされている

「自動運転の普及・拡大に関する取組」では、上記画像のように、自動運転車の価格が下がるのではないかと予想しています。
今まで自動運転のプログラムはルールベースでエンジニアが作成していましたが、上記画像のようにAIベースでの開発が進むことで人件費などの開発費用を削減できるため、大幅な価格低減が実現するのではないかと予想されているのです。
車両価格が100万円前後となり、運転支援機能のオプション導入というさらに低価格な選択肢が増えることになれば、介護業界でもより導入が検討しやすくなるのではないでしょうか。
自動運転の実証実験の事例

画像出典:国土交通省「社会課題の解決に資する自動運転車等の活用に向けた取組方針」
国土交通省の「社会課題の解決に資する自動運転車等の活用に向けた取組方針」の資料において、道の駅を拠点とした自動運転サービスの実証実験の結果が公表されています。
自動運転サービスは平成29年度(2017年度)~平成30年度(2018年度)に18か所で短期の実証実験、平成30年度に9か所での長期実証実験が行われ、令和元年度(2019年度)に4か所で社会実装されました。
社会実装された4か所については、自動運転サービスの継続に向け自治体に対して技術支援などのフォローが実施されています。
社会実装された4か所での実証実験の事例についてご紹介します。
秋田県上小阿仁村「道の駅かみこあに」の事例

画像出典:国土交通省「道の駅『かみこあに』で自動運転サービス本格導入へスタート」

画像出典:国土交通省「道の駅『かみこあに』で自動運転サービス本格導入へスタート」
道の駅「かみこあに」を拠点とした自動運転サービス実証実験は、平成30年(2018年)12月9日~平成31年(2019年)2月8日までの43日間にわたって行われました。
実験のポイントは以下の通りです。
- 一般交通が侵入しない専用区間を確保したこと
- 貨客混載により道の駅の農産物輸送、商品配送も可能としたこと
- 高齢者を対象とした社会福祉事業と連携したこと
- 積雪地域で円滑に走行できるかどうかを検証したこと
- 運行管理センターで運行をモニタリングしたこと
- 村営温泉施設への送迎バスと連携したこと
この結果沿線住民の利用者が延べ210人で、70%以上が60歳以上の高齢者だということがわかり、令和元年(2019年)11月30日より自動運転サービスが社会実装されました。
運営主体はNPO法人上小阿仁村移送サービス協会で、事業内容は高齢者の送迎と農作物や日用品等配送となっています。
実証実験で地域のニーズをていねいに掘り起こし、運転手が現場で運行を監視する体制としたことで高齢者の安心・安全な送迎も実現した好事例と言えるでしょう。
滋賀県東近江市「道の駅奥永源寺渓流の里」の事例

画像出典:国土交通省「道の駅『奥永源寺渓流の里』を拠点とした自動運転サービスの社会実装」
道の駅「奥永源寺渓流の里」を拠点とした自動運転サービス実証実験は、令和元年(2019年)11月15日~平成元年(2019年)12月20日まで行われました。
道の駅「奥永源寺渓流の里」周辺は高齢化や人口減少が進行する中山間地域にあたり、地域公共交通の衰退、日常生活における移動手段の確保などさまざまな課題があります。
これらの課題を解決するのを目的に自動運転サービスの実証実験が行われ、期間前半には道路構造や交通への影響、気象状況などの技術的な検証、後半にはビジネスモデル構築に向けた検証が行われたのです。
この結果を踏まえて令和3年(2021年)4月23日から自動運転サービスが社会実装されました。
運営主体は東近江市役所で、事業内容は高齢者の送迎、観光客の利用、農作物や日用品等配送となっています。
地域の足や配送だけではなく、観光客の集客にもつなげた好事例だと言えるでしょう。
島根県飯石郡飯南町「道の駅赤来高原」の事例

画像出典:国土交通省「道の駅『赤来高原』を拠点とした自動運転サービスの社会実装」
道の駅「赤来高原」を拠点とした自動運転サービス実証実験は、令和2年(2020年)9月1日~令和2年10月10日まで行われました。
ビジネスモデル検証では地元利用から観光客などの来訪者まで、様々な利用形態に対応した利用しやすい料金体系を検証したところ、特に地域住民による多頻度利用を意識した定額制の有効性が確認されます。
一方技術的検証では、国道の路側に構造的に分離した自動運転車両の専用空間を設置するなど、交通量の多い道路空間における安全な運行を検証したのです。
これらの結果を踏まえて令和3年(2021年)10月4日から自動運転サービスが開始されました。
運営主体は飯南町で、サービスは高齢者等の日常生活の移動手段の確保、観光客の利用となっています。
平日利用は地域住民向けのニーズ、休日は観光客向けのニーズを満たした好事例だと言えるでしょう。
福岡県みやま市山川支所の事例
みやま市役所山川支所を拠点とした自動運転サービス実証実験は、平成30年(2018年)2月17日~2月24日、平成30年(2018年)11月2日~平成30年12月21日に行われました。
実証実験では道路・交通、地域環境、コスト、社会受容性、ビジネスモデルの検討を含む地域への効果などが検証されます。
その結果令和3年(2021年)7月19日から自動運転サービスが開始されました。
しかし令和5年(2023年)12月末現在の1日あたりの利用者が0.9人と減少してしまい、費用対効果が見込めない状況であるため今後の休止や廃止が検討されています。
実証実験を行ったからといって、必ずしも運営がうまくいくとは限らないことがわかる好事例と言えるでしょう。
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まとめ
自動運転とは、運転者の操作を部分的に、もしくは完全に自動化する技術のことです。
この記事も参考にして、ぜひ将来的に自動運転を介護の現場にも導入してみてください。
※本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。

