シルバーカーとは?メリットから最新の開発状況まで詳しく解説
要約:
シルバーカーとは、高齢者などの歩行を支えたり荷物を運んだりする手押し型の歩行補助具です。本記事では、歩行器やシニアカー、電動車いすとの違い、注目される背景、使用するメリット・デメリットを解説します。さらに、自治体による給付・補助制度、歩行アシストカートなどの最新の研究・開発状況、海外で進むAIを活用した移動支援の研究も紹介。介護施設での外出支援やサービス充実に役立つ情報をまとめています。
自分の運営する介護事業所や介護施設では競合他社との差別化を目的に積極的な外出サポートを行っているため、シルバーカーの最新情報を知っておきたい人はいませんか?
この記事ではシルバーカーを使用するメリットから最新の開発状況まで詳しく解説します。
シルバーカーとは?

画像出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」
シルバーカーとは、高齢者などが歩行する時に、身体を支えたり荷物を運んだりするために使用する、手押し型の歩行補助具です。
上記画像は介護保険が給付される福祉用具の一覧ですが、シルバーカーは含まれていないためレンタルや購入をする際は自費で行う必要があります。
シルバーカーには混同しやすい機器がいくつかあるため、それぞれとの違いをご紹介します。
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概要 |
使用対象となる人 |
介護保険の適用 |
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シルバーカー |
高齢者などが歩行する時に、身体を支えたり荷物を運んだりするために使用する、手押し型の歩行補助具 |
歩行は自立しているものの不安がある人 |
原則として対象外 |
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歩行器 |
歩行時に体重を支えながら移動するための福祉用具 |
歩行が困難で、移動時に身体を支える必要がある人 |
介護保険にて貸与と購入を選択可能 |
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シニアカー |
ハンドル型の電動車いすで、電動モーターで走行し、歩行せずに座った状態で移動する |
長距離の歩行が難しく、屋外などで移動手段を必要とする人 |
一定の要件を満たす「普通型電動車いす」は対象だが、要介護度などによって原則給付対象外となる場合がある |
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電動車いす |
電動モーターで走行する車椅子で、ハンドル型やジョイスティック型などがある |
歩行が自立しておらず、車椅子による移動が必要な人 |
介護保険にて貸与可能 |
同じ移動をサポートする機器の中でも、使用対象となる人や介護保険の対象となるかどうかは異なるため注意しましょう。
シルバーカーが注目される背景
シルバーカーが注目される背景には、どのようなことがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
ほとんど毎日外出する高齢者が多いため

画像出典:内閣府「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(全体版)」
シルバーカーが注目される背景には、高齢者の外出頻度が意外と高いことがあります。
令和5年度(2023年度)に内閣府が65歳以上の男女4,000人を対象に行った「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」において、普段の外出頻度をたずねたところ、ほとんど毎日と回答した人が55.4%という結果でした。
また2~3日に1回と回答した人が25.4%おり、毎日外出する人と合わせると80.8%を占めたのです。
身体を支えたり荷物を運んだりできるシルバーカーは、高齢者にとって外出時に使い勝手がよい機器となるため、注目が集まっているのです。
徒歩で外出する高齢者が多いため

画像出典:内閣府「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(全体版)」
シルバーカーに注目が集まるのは、高齢者が選ぶ交通手段に徒歩が多いこともその背景にあります。
「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」において、外出の際に利用する交通手段をたずねたところ、徒歩と回答した人が50.1%でした。
外出時の交通手段として一番選ばれているのが徒歩のため、そのサポートができるシルバーカーに注目が集まるのはうなずける結果だと言えるでしょう。
年齢を重ねるほど休まずに歩ける歩行可能距離が短くなるため

シルバーカーが注目される背景には、無理なく休まずに歩ける距離が年齢とともに減少することもあります。
国土交通省が公表している「高齢者の生活・外出特性について」の資料内で、無理なく休まずに歩ける距離をたずねたところ、1.5km以上だと回答した人は65歳以上では48%でしたが、75歳以上になると39%だったのです。
また65歳以上でも100mまでと回答した人が10%おり、無理なく歩ける距離がどのくらいかは個人差が大きいことがわかります。
これらのことから歩行をサポートするシルバーカーに注目が集まるのは、理解できる結果だと言えるでしょう。
シルバーカーを使用するメリット
シルバーカーを使用するメリットは以下の通りです。
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項目 |
概要 |
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歩行を安定させやすい |
ハンドルを持って押しながら歩くことで、歩行時の支えとなり、安定した移動をサポートできる |
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外出しやすくなる |
歩行に不安がある人でも、シルバーカーを歩行の補助として活用することで、買い物や散歩などの外出を行いやすくなる |
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疲れたときに休憩できる |
座面ありの製品なら、外出先で歩き続けることが難しくなったときに腰掛けて休憩できる |
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荷物を運びやすい |
バッグや買い物かごが付いた製品では、買い物した商品などを収納して運べるため、荷物を持ちながら歩く負担を軽減できる |
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歩行への不安を軽減しやすい |
歩行を補助する道具があることで、歩くことへの不安を抑えながら外出や移動に取り組みやすくなる |
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日常生活の自立を支えられる |
買い物や散歩など、自分で行いたい活動を継続しやすくなり、高齢者の自立した生活を支える手段になる |
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外出・社会参加の機会につながる |
買い物や地域への外出などを行いやすくすることで、人との交流や社会参加の機会を維持することにもつながる可能性がある |
利用者本人が自信を持って歩行できることで、自立を支えQOLの向上につながるのが大きなメリットだと言えるでしょう。
シルバーカーを使用するデメリット
シルバーカーを使用するデメリットは次の通りです。
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項目 |
概要 |
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利用者の身体状態によっては危険がある |
シルバーカーは自立歩行できる人を対象としており、歩行能力が著しく低下している人やバランスに大きな不安がある人には適さない場合がある |
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段差や坂道などで転倒する危険がある |
段差や傾斜、溝などでは車輪が引っ掛かったり、バランスを崩したりして転倒する可能性がある |
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身体に合わない製品を選ぶと負担になる可能性がある |
ハンドルの高さなどが身体に合っていないと、不自然な姿勢になり、転倒や身体への負担につながる可能性がある |
独立行政法人製品評価技術基盤機構のホームページでは、シルバーカーの事故事例を公表しています。
自分の運営する介護事業所や介護施設でシルバーカーを活用している利用者がいる場合、目を通しておくことをおすすめします。
シルバーカー導入に使える補助金
地方自治体によっては自立支援用具としてシルバーカーそのものを給付したり、補助金を交付したりしている場合があります。
シルバーカーの給付を行っている主な地方自治体は次の通りです。
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地方自治体名 |
詳細が掲載されているページ |
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文京区 |
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板橋区 |
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葛飾区 |
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台東区 |
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練馬区 |
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江東区 |
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港区 |
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江戸川区 |
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清瀬市 |
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小金井市 |
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小平市 |
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立川市 |
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青梅市 |
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さいたま市 |
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船橋市 |
給付対象者はその自治体によって異なり、一部自己負担が必要な場合もあるため、申請時に必ず確認しましょう。
一方シルバーカーの導入に補助金や助成金、給付金を交付している主な地方自治体は以下の通りです。
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地方自治体名 |
詳細が掲載されているページ |
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足立区 |
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武蔵村山市 |
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狛江市 |
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浦安市 |
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市川市 |
交付の対象者や限度額は各地方自治体によって異なるため、必ず詳細を確認しましょう。
また期間は限られていますが、シルバーカーの貸し出しを行っている地方自治体もあります。
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地方自治体名 |
詳細が掲載されているページ |
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中央区 |
利用者がシルバーカーのレンタルや購入を予算面でためらっている場合、上記のような情報を提供するのもおすすめです。
シルバーカーにおける最新の研究・開発状況

シルバーカーは、国における介護ロボットの重点開発分野の1つ、「移動支援」の屋外に該当します。
そのため、最新の研究・開発状況は国立研究開発法人日本医療研究開発機構が運営する、介護テクノロジーポータルサイトで確認することができるのです。
これを踏まえて、シルバーカーの最新の研究・開発状況を「移動支援(屋外)の開発状況」「製品化された歩行アシストカートとは」「海外におけるAIを用いた移動支援の研究」の3つの項目にわけてご紹介します。
移動支援(屋外)の開発状況

参考:介護テクノロジーポータルサイト これまでに開発補助をした機器「移動支援(屋外)」
介護テクノロジーポータルサイトでは、上記画像のように移動支援(屋外)の開発状況を一覧表で確認することができます。
状況を見ると「開発中止」となった製品が2026年8月段階で6つあり、国が開発の支援をしたからといって必ずしも製品化できるわけではないことがわかります。
そのため、開発中の製品から利用者のニーズに合ったシルバーカーを見つけてもすぐに情報提供するのではなく、製品化されてから情報提供することが大切です。
製品化された歩行アシストカートとは?

画像出典:RT.WORKS「ロボットアシストウォーカーRT.3」
介護テクノロジーポータルサイトにおける移動支援(屋外)の一覧表の中で、製品化(発売中)と表示されている「歩行アシストカート」とは、RT.WORKSのロボットアシストウォーカーRT.3のことです。
ロボットアシストカートRT.3はハンドル部にあるセンサーで人の動き、胴体についている6軸モーションセンサーで路面状況や人の動きを検知することでリアルタイムに歩行をアシストしたり、ブレーキをかけたりすることができます。
上記の仕組みで、例えば上り坂ではパワーアシスト、下り坂ではブレーキが自動で働き、利用者が安心・安全に歩行できるよう随時サポートしてくれるのです。
またロボットアシストカートRT.3は歩行をリアルタイムでサポートするだけではなく、「お買い物に最適なモデル」とも銘打たれているのは、次の機能が備えてあるためです。
- 脱落防止フックを搭載した買い物かごを置ける座面
- エコバッグやビニール袋を掛けられるフック
- フタつき収納スペース
福祉用具貸与の対象商品となっているため、利用者で使ってみたい人がいれば担当ケアマネジャーに相談することから始めてみましょう。
海外におけるAIを用いた移動支援の研究
海外ではAIを用いた移動支援の研究も進められており、例として以下のような内容が論文として公表されています。
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論文 |
研究していること |
概要 |
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転倒を予測して必要なときだけ支える、自律追従型のロボット杖 |
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利用者の歩行状態を機械学習で把握し、歩行速度に合わせて動くスマートウォーカー |
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歩行だけでなく、物を扱う作業も支援する移動ロボット |
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3本とも現在一般的に介護施設で導入できる完成品を紹介しているわけではありませんが、シルバーカーの未来を予想する上で注目したい研究内容だと言えるでしょう。
介護業界で競合他社との差別化にお悩みの方は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください

介護業界で競合他社との差別化を明確に行えず、集客にお悩みの方は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください。
介護保険サービスだけを運営していても利益につながらず、介護保険外サービスを運営するのはハードルが高いと感じてしまい、競合他社と明確な差別化ができていない事業所や施設は少なくないのではないでしょうか。
そのような経営者の皆様におすすめしているのが、株式会社プレゼンス・メディカルのCAMP AI経営支援サービスです。
CAMP AI経営支援サービスでは、介護業界における経営を「経験・勘」への依存から脱却して「データ・科学」に置き換えることを目的とし、データを用いた意思決定と3つのシステムをご提案しています。
データとは国保連請求データ、LIFEデータを指し、国保連請求データは経営指標、LIFEデータはケアの質向上に用います。
一方3つのシステムとは次の3つのことです。
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項目 |
概要 |
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CAMP 経営分析システム |
国保連請求データを分析し、稼働率・加算算定率・利用者構成・収益機会を見える化するシステム |
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CAMP LIFE活用システム |
LIFE提出状況・算定要件・ケアデータを可視化し、ケアの質向上と加算取得を支援するシステム |
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CAMP 法定研修システム |
法定研修の実施・受講履歴・記録管理を効率化し、人材育成と組織力向上を支援するシステム |
これらのシステムを活用することで、例えば「シルバーカーを持っている人がなんとなく増えたから外出サービスに力を入れよう」といった経営判断をするのではなく、具体的な利用者構成に基づいて判断し、外出サービスを充実させるためにはどのような研修を行えばよいかまで考えることが可能となります。
興味のある方は、次のページからお問い合わせください。
お問い合わせ|Presence Innovation Lab.|プレゼンスイノベーションラボ
まとめ
シルバーカーとは、高齢者などが歩行する時に、身体を支えたり荷物を運んだりするために使用する、手押し型の歩行補助具です。
この記事も参考にしてぜひシルバーカーに対する知識を深め、利用者が楽に外出できるサービスを行ってみてください。
※本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。

