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AI FOR CARE
人間に寄り添うAI

AIを用いたケアマネジメントとは?最新の介護テクノロジーをご紹介
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2026.04.01

AIを用いたケアマネジメントとは?最新の介護テクノロジーをご紹介

要約:

AIを用いたケアマネジメントとは、ケアマネジャーの業務プロセスにAIを取り入れ、アセスメントやケアプラン作成、会議記録などを効率化する取り組みです。背景には担当件数の増加や業務範囲外対応の常態化があり、国もAIによるケアプラン作成支援の研究を推進しています。ChatGPT活用型ツールやSOIN、nottaなどの導入により質の向上と業務負荷軽減が期待されますが、利用規約の確認や個人情報管理、AIの提案を過信しない姿勢が重要です。

介護の現場でもAI活用が推進されつつあるけれど、ケアマネジメントにはどのように活用すればよいか迷っている人はいませんか?

この記事では、介護事業所を運営する人が知っておきたいAIを用いたケアマネジメントについて詳しく解説します。

ケアマネジメントとは

ケアマネジメントとは介護保険法で明確に定義づけられた言葉ではありませんが、介護を必要とする人やその家族からの相談に応じ、心身の状況に応じた適切な介護サービスを受けられるよう連絡・調整することです。

介護保険法の第7条第5項で、介護を必要とする人が自立した日常生活を営むのに必要なサポートに関する専門的な知識や技術を持つ人として介護支援専門員証の交付を受けた人(ケアマネジャー)が行う業務と位置付けられています。

参考:厚生労働省 老健局 「ケアマネジメントに係る現状・課題」

AIを用いたケアマネジメントとは

厚生労働省「ケアマネジメントのあり方(参考資料)」よりケアマネジメントの流れについての図解

AIを用いたケアマネジメントとは、ケアマネジャーがケアマネジメントを行う流れの中でAIを利活用することを指します。

現在国ではケアマネジメントの質の向上のためにさまざまな取り組みを進めていますが、介護テクノロジーの活用もそのうちの1つです。

AIを用いたケアマネジメントは、ケアマネジメントの質を高めケアマネジャーの業務効率化や働き方改革を推進するために重要なことだと言えるでしょう。

AIを用いたケアマネジメントが注目される背景

AIを用いたケアマネジメントが注目される背景には、どのようなことがあるのでしょうか。

3つご紹介します。

ケアマネジャーの業務負荷が大きい

厚生労働省 老健局 「ケアマネジメントに係る現状・課題」よりケアマネジャーの一人当たりの担当利用者数についての表

画像出典:厚生労働省 老健局 「ケアマネジメントに係る現状・課題」

令和6(2024)に厚生労働省 老健局が公表した「ケアマネジメントに係る現状・課題」という資料内で、ケアマネジャーの1人当たりの担当利用者数について調査しました。

すると調査開始の令和1年(2019年)以来、ケアマネジャーの常勤換算人数は0.2人~0.3人しか増えていないにも関わらず、常勤換算のケアマネジャーが1人あたりで担当する人数は1人~2人ずつ増加していることがわかったのです。

ケアマネジャーの業務負荷がこれ以上増えると、ケアマネジメントの質の向上や働き方改革の推進にも影響を及ぼしかねません。

ケアマネジメントを行う流れの中でAIを利活用すると、ケアマネジャーの業務負荷を下げられ、ケアマネジャーが本来注力しなければならない業務に力を注げるようになることから、AIを用いたケアマネジメントに注目が集まっているのです。

ケアマネジャーが業務範囲外の依頼への対応を行っている

厚生労働省 老健局 「ケアマネジメントに係る現状・課題」より業務範囲外の依頼についてのグラフ

画像出典:厚生労働省 老健局 「ケアマネジメントに係る現状・課題」

「ケアマネジメントに係る現状・課題」では、319件の居宅介護支援事業所に対し、ケアマネジャーが業務範囲外と考えられる以来にどの程度対応しているかについても調査を行いました。

すると回数に関わらず67.5%の居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、業務範囲外の依頼に対応していたことがわかったのです。

27.0%の居宅介護支援事業所ではこの1年間に7回以上も対応しており、ケアマネジャーが自分の業務以外のことにも時間を割かなければ仕事が成り立たない現状が浮かび上がってきます。

緊急性が高い依頼も72.5%と高い割合で含まれており、線引きをするのが難しい内容のためすぐの改善は難しいですが、ケアマネジャーの業務負荷をAIの利活用で少しでも下げるのはとても重要なことだとわかります。

AIによるケアプラン作成に向けた調査研究を進めることが大切とされた

令和6(2024)1212日に行われたケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会では、会議の中間整理が行われました。

その中で、ケアマネジャーの業務の在り方について、ケアマネジャーの業務効率化などの観点から、国においてAIによるケアプラン作成支援に向けた調査研究を進めることが重要であるとされたのです。

老人保健健康増進等事業においては、平成28年度(2016年度)よりケアプラン作成⽀援AIに関する調査研究が開始されており、その後毎年ケアプラン作成⽀援AIに関連する調査研究テーマが提⽰されています。

調査研究テーマと実施機関は以下の通りです。

年度

調査研究名

調査機関

平成28年度(2016年度)

⾃⽴⽀援を促進するケアプラン策定における⼈⼯知能導⼊の可能性と課題に関する調査研究

セントケア・ホールディング株式会社

平成29年度(2017年度)

ホワイトボックス型⼈⼯知能AIを活⽤した⾃⽴⽀援に資するケアプラン提案の試⾏的な取組に関する調査研究

株式会社国際社会経済研究所

平成30年度(2018年度)

AIを活⽤したケアプラン作成の基準に関する調査研究

株式会社NTTデータ経営研究所

/株式会社野村総合研究所

平成30年度(2018年度)

ケアプランの作成⽀援でのAI学習が難しいテキスト記述データの構造化等に関する調査研究

株式会社国際社会経済研究所

令和1年度(2019年度)

ケアプランの作成⽀援でのAI学習が難しいテキスト記述

データの構造化等に関する調査研究

株式会社国際社会経済研究所

令和1年度(2019年度)

AIを活⽤したケアプラン作成⽀援の実⽤化に向けた調査研究

株式会社NTTデータ経営研究所

/株式会社野村総合研究所

令和2年度(2020年度)

ホワイトボックス型 AI を活⽤したケアプランの社会実装に係る調査研究

株式会社国際社会経済研究所

令和2年度(2020年度)

AIを活⽤した効果的・効率的なケアプラン点検の⽅策に

関する研究

株式会社NTTデータ経営研究所

令和3年度(2021年度)

ホワイトボックス型 AI を活⽤したケアプランの社会実装に係る調査研究

株式会社国際社会経済研究所

令和3年度(2021年度)

AIを活⽤した効果的・効率的なケアプラン点検の⽅策に

関する調査研究

株式会社NTTデータ経営研究所

令和4年度(2022年度)

ホワイトボックス型AIを活用したケアプランの社会実装に係る調査研究事業

株式会社 国際社会経済研

究所

令和4年度(2022年度)

AIを活用した効果的・効率的なケアプラン点検の方策に関する調査研究事業

株式会社NTTデータ経営研究所

令和5年度(2023年度)

AIを活用したケアプラン作成支援に係るケアプランデータの利活用に関する調査研究事業

株式会社国際社会経済研究所

令和5年度(2023年度)

ケアプラン点検に係るマニュアル及びAIを活用した支援ツールに関する調査研究事業

株式会社NTTデータ経営研究所

令和6年度(2024年度)

AIを活用したケアプラン作成支援に係るケアプランデータの利活用に関する調査研究事業

株式会社国際社会経済研究所

令和6年度(2024年度)

ケアプラン点検に係るマニュアル及びAIを活用した支援ツールに関する調査研究事業

株式会社NTTデータ経営研究所

令和7年度(2025年度)

AIを活用したケアプラン作成支援に係る調査研究事業

株式会社国際社会経済研究所

令和7年度(2025年度)

ケアプラン点検の効果的な実施方法に関する調査研究事業

株式会社NTTデータ経営研究所

ケアプランを作成する過程でAIを利活用できるかどうかから研究が開始され、利活用の基準、AIに学習させるのが難しい内容をどうするか、社会実装へと進み、少しずつ現場に取り入れられるように研究が深まってきているのがわかります。

研究が進むことでAIを用いたケアマネジメントの質がより高まるため、ケアマネジャーが本来の業務に集中できる環境が少しずつ整えられていくのではないでしょうか。

参考:ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理」 

ケアマネジメントに使えるAI

 ケアマネジメントに使えるAIを3つご紹介します。

アセスメントからケアプラン作成まで行えるAI

ChatGPT「【ヒトケア式アセスメントシート】課題分析&ケアプラン作成サポート」のトップページ

画像出典:ChatGPT「【ヒトケア式アセスメントシート】課題分析&ケアプラン作成サポート」

ケアマネジメントにおけるアセスメントとは、利用者の心身の状態、ADLの状況、生活環境などの情報を収集し、その中の課題を把握・分析することを指します。 

「【ヒトケア式アセスメントシート】課題分析&ケアプラン作成サポート」はChatGPTを使ったアプリで、アセスメントからケアプラン作成までを一気通貫で行えるのが特徴的です。

専用のアセスメントシートを作成し、アプリにアップロードすると内容を分析し、その後ケアプランの原案も作成できます。

アセスメントシートのテンプレート購入には390円の費用がかかるため注意しましょう。

「【ヒトケア式アセスメントシート】課題分析&ケアプラン作成サポート」の使用手順は以下の通りです。

  1. アセスメントシートに必要事項を入力し、PDF形式で保存する
  2. 「【ヒトケア式アセスメントシート】課題分析&ケアプラン作成サポート」にPDFファイルをアップロードする
  3. ChatGPTがアセスメントシートの内容を分析する
  4. 分析内容に基づいてケアプラン第2表の文例を出力するかどうかを指定する
  5. 出力する方を選択すると文例が5つ作成される
  6. アセスメント情報と第2表の内容を元に第1表の文例も作成するかどうか選ぶ

普段ChatGPTを活用している人にとってはそれほど複雑な手順ではないため、確認しながらやってみましょう。

「【ヒトケア式アセスメントシート】課題分析&ケアプラン作成サポート」はアセスメントにおける情報整理とケアプラン作成における書類作成を効率化したいケアマネジャーにおすすめです。

参考:ChatGPT「【ヒトケア式アセスメントシート】課題分析&ケアプラン作成サポート」 

ケアプラン作成に使えるAI

SOIN(そわん)とは、現場のケアマネジャーのケアプラン作成についての意見を反映して制作されたAIケアマネジメント支援システムです。

SOINでできることと得られるベネフィット(商品やサービスを利用した時の感情的な満足感)は次の通りです。

機能

ベネフィット

アセスメントデータの分析

データを基に見落としやすい課題も把握し適切な判断を支援してもらえるためアセスメントの質が上がる

利用者の約1年後の要介護度・状態を予測

利用者の重度化防止に向けた質の高いケアプランを策定できるためADLが維持しやすくなる

改善志向プランの提示

利用者と状態が近い人物像を探しその人が改善されたケアプランを参考にできるため、客観的な事実に基づくケアプランを提案できる

「適切なケアマネジメント手法」の活用

ケアマネジャーとしての基本に立ち返って業務を行える

比較サポート機能

AIが作成したケアプランと、ケアマネジャーが作成したケアプランを比較検討し、ケアプランの質を高められる

クラウド機能

時間や場所を選ばずにケアプランが作成できるため業務効率化につながる

課題整理総括表やアセスメントシートの作成サポート

書類作成をサポートしケアマネジャーの業務負荷を軽減する

入院時情報提供書の作成

所属する事業所の入院時情報連携加算の取得につながり実績をアピールできる

科学的な根拠に基づくケアプラン作成

AIが科学的なエビデンスに基づいてケアプランを作成するため質が上がる

サービス担当者会議の議事録作成

録音内容の文字起こしからケアプラン第4表も自動生成するため業務効率化につながる

ケアマネジャーとSOINがケアマネジャーの望む形で協働し、効率的なケアマネジメントを実践できるのがSOINの大きなメリットだと言えるでしょう。

SOINを使用するにはケアマネジャー1アカウント当たり月額6,000円の費用が必要です。

SOINはAIと望ましい形で分業し、利用者や家族としっかりと向き合いたいケアマネジャーにおすすめです。

参考:株式会社シーディーアイ「SOIN」

サービス担当者会議に使えるAI

nottaは会議における文字起こし、予約、画面録画、議事録作成までを1つのツールで行えるサービスです。

nottaには以下のような機能があります。

機能

概要

AI要約

  • 文字起こししたテキストの内容をAIが自動的に要約
  • 文字起こしした内容をカスタマイズ(有料プランのみ)
  • AI 要約の再生成・編集

スケジュール調整

  • 関係者のスケジュールを一元管理
  • ダブルブッキングを未然に予防

画面録画

  • 文字で表現しづらい内容を可視化
  • 会話の行き違いや記憶違いのリスクを解消する

議事録作成

  • AIが話者を特定して記録
  • 日本語以外でコミュニケーションを取った場合議事録の翻訳も可能

サービス担当者会議における議事録には正確性が要求されますが、nottaの文字起こしの精度はフォーマルな会議においての認識率は98.86%以上となっているため、参加者にもnottaの活用は賛同を得られやすいのではないでしょうか。

またサービス担当者会議においては利用者のプライバシーにも配慮が必要ですが、notta2022年にサービスのセキュリティやプライバシー原則に関する内部統制を対象にSOC2認証報告書を取得し、20239月にはさらにISMS国際標準規格「ISO27001」認証も取得しています。

nottaはサービス担当者会議のスケジュール調整と議事録作成を効率化したいケアマネジャーにおすすめです。

参考:notta公式ホームページ

AIを用いたケアマネジメントをする際の注意点

事業所としてAIを用いたケアマネジメントを推進する際、注意したい点は以下の3つです。

  • それぞれのツールの利用規約やプライバシーポリシーには利用する従業員とともに必ず目を通す
  • 事業所内で個人情報の取り扱いルールを定め、それに即して運用する
  • AIの提案をうのみにしない

どのようなAIも同じですが、ハルシネーション(生成AIが事実に基づかない情報を正しいことであるかのように生成すること)を起こす可能性は常にあるため、AIが行うケアマネジメントを過信しない姿勢が大切です。

AIを用いたケアマネジメントを検討したい方は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください

株式会社プレゼンス・メディカル・ラボのロゴ

AIを用いたケアマネジメントを検討・実践したい方は、株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください。

株式会社プレゼンス・メディカルでは、介護×テクノロジーで業界の課題を解決するのを目的として、AIの利活用についても積極的にサポートを行ってきました。

その中でAIを活用した介護施設の業務効率化・生産性向上サービスも提案していますが、このサービスの中にはケアプラン作成型サービスも含まれています。

ケアプラン作成型サービスではAIが利用者の状態やニーズを分析し、ケアプランの目標や内容を自動で提案します。

そのため、ケアマネジャーはケアプランの作成の手間と時間を削減しながら、利用者の満足度を上げることが可能となるのです。

ケアマネジャーの業務負荷を軽減し、利用者の皆さんと深く向き合える環境を整えたい方は次のページもごらんください。

FUNCTIONS&PRODUCT | 喀痰吸引等研修の講習・資格・介護・福祉の研修実績|株式会社プレゼンス・メディカル 

まとめ

AIを用いたケアマネジメントとは、ケアマネジャーがケアマネジメントを行う流れの中でAIを利活用することを指します。

この記事も参考にして、ぜひ適切な形でAIを導入し、ケアマネジャーの業務負荷軽減とケアマネジメントの質の向上に取り組んでみてください。

※本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。